自分の将来や家族のために、生命保険への加入を検討する人は多い状況です。しかし、「生命保険と聞くとむずかしくて理解できない、どんな保険を選べばいいのかわからない」という人も少なからずいます。
保険会社での業務を10年以上経験してきた私が保険の選び方についてお伝えします。
この記事はこんな方におすすめです。
- 生命保険の仕組みについて知りたい
- どんな保険種類があるのか知りたい
- どんなメリットがあるか知りたい
- 月々の支払いが高くならないようにしたい
- 最適な保険の選び方を知りたい
自分にあった保険を選ぶと毎月の保険料も負担になりづらく、また入り直す必要もなくなるため将来の不安が減り安心感も得られます。正しく保険を選んでご家族も安心させたいですね。
この記事を読むことで生命保険にはどんなものがあるか、どんなことに注意して選ぶべきかがわかり最適な保険が選べるようになります。
保険の仕組みは難しく感じるかもしれませんが、この記事を読むことでポイントを知ることができますよ!
生命保険の基礎知識
生命保険とは加入者がそれぞれ保険料を出し合い「必要なお金」を準備しあうことで、もしものときの備えとするものです。
主な保険種類は以下の5種類になります。
- 死亡保険
- 医療保険
- がん保険
- 介護保険
- 収入保障保険
生命保険の知識を把握しておくことで保険選びに役立つため、しっかり理解しておきましょう。
生命保険とは
生命保険とは加入者から集めた保険料からお金が必要になった人に対し、契約に応じた金額を支払うことで、生活の支えにするものです。生命保険は「お互いがお互いのために助け合おう」という「相互扶助」の考え方でなりたっています。
具体例でお伝えすると、A子さんは料理教室に通っていましたが、ふとしたはずみにグラスを割ってしまいました。
A子さんはグラス代1,000円を弁償しましたが、料理教室の先生から「1年間に20個くらい割れることがあるんですよ」と聞きました。
A子さんは「私以外にもグラスを割ってしまう人がいる。もし1年に1,000円のグラスが20個割れるとしたら20,000円かかってしまう。20,000円を料理教室にかよう50人で負担すれば1人年400円。これくらいの出費であればグラスをわる心配もなく、もっと料理教室をたのしめるかもしれない」
このように加入者同士で保険料を出し合い、もしものときに必要なお金を支払う仕組みが「生命保険」です。
生命保険の種類
生命保険にはいくつかの種類があります。
- 死亡保険
- 医療保険
- がん保険
- 介護保険
- 収入保障保険
例えば、死亡した時に保険金が受け取れる死亡保険。病気やケガによる入院・手術に備える医療保険など、保険種類それぞれに特徴があります。
もし健康不安があるとしたら死亡保険や医療保険両方に加入しておくことで、将来のお金の不安を減らすことができます。
保険の種類を知っておくことで保険を選ぶときの基準となりますので、どんな保険種類があるか把握しておきましょう。
生命保険の種類を知って、自分に必要な保険はなにか洗い出してみましょう!
生命保険に入るメリット
生命保険に入る主なメリットは以下の3点です。
- 万が一のリスクに備えられる
- 高額な医療費にも備えられる
- 節税になる
生命保険に入ることのメリットを知っておくことで、安心して日常生活を送ることができ節税にもつながります。
万が一のリスクに備えられる
生命保険に入る1つ目のメリットとして、万が一のリスクに備えられることです。
死亡のリスクは誰にでもあり、こんなはずではなかったということが起こる場合があるため、万が一のリスクに備えられる生命保険に入ることは大きなメリットといえます。
もし生活を支えなくてはいけない家族がいて経済的リスクに備えたい方は、自身が亡くなったときに保険金が受け取れる死亡保険への加入は優先度も高くなるでしょう。
死亡保険に加入していれば、もしものとき遺された家族に一定期間の生活が保障されるメリットがあります。
高額な医療費にも備えられる
生命保険に入る2つ目のメリットとして、格安な医療保険やがん保険にも加入しておくことで、自己負担となる場合にも対応できます。また病気やケガでの入院は、治療費以外にも食事代や差額ベッド代が必要になることもあるため、注意が必要です。
具体的には以下の5点があげられます。
- 食事代
- 差額ベッド代
- 先進医療費
- 交通費
- 消耗品
生命保険文化センターがおこなった「令和元年度 生活保障に関する調査」のデータでは、入院1日当たりの自己負担費用の平均は23,300円となっています。
入院期間が長くなればなるほど自己負担金は多くなるため、医療費が高額にもなる可能性があります。保険に加入しておくことで、高額になってしまった医療費にも対応できるでしょう。
節税になる
生命保険に入る3つ目のメリットとして、支払う保険料は税金控除の対象になることです。
会社員や公務員の方は、毎年10月~12月に行われる年末調整で生命保険料控除を活用すると、所得税や住民税を節税することができます。
節税の仕組みとして、加入者が払っている年間の保険料額に応じて、一定金額が1年間の所得から差し引かれることにより、所得税や住民税を減らすことができるというものです。
年収500万円の例で見てみましょう。
生命保険料控除 | 所得税と住民税の合計 |
なし | 382,200円 |
あり | 363,200円 |
節税額(なし−あり) | 19,000円 |
生命保険を活用することで、節税効果により支払う税金を軽減することができます。
生命保険に加入することで、万が一の備え以外にも得られるメリットもあるので、ぜひ活用してみてくださいね!
生命保険に入るデメリット
生命保険に入る場合、デメリットは以下の3点があげられます。
- 毎月一定金額の保険料がかかる
- 何も起こらなかったときには払い損になる
- 解約しても払い戻しがなかったり元本割れすることがある
生命保険に入ることのデメリットを知っておくことで、必要な保険のみ選べるようになります。
毎月一定金額の保険料がかかる
万が一に備えるためには、 毎月保険料を支払わなければなりません。 よく検討せずに必要以上の生命保険に加入してしまうと、毎月の保険料が負担となり生活が苦しくなる恐れがあります。
保険を選ぶときには
- 払える金額はいくらか
- 誰のために入るのか、どんなときのために入るのか
- 加入の目的を果たすには、どのくらいの保障があればいいのか
- いつまで備えるのか
これらを踏まえて選ぶことが大切です。
特に死亡保険という亡くなったときに保険金が支給されるタイプの保険は、支払われる保険金が高くなるほど保険料も高くなってしまいます。
保険種類によっては保険料が高くなってしまうものもあるため、必要な保障だけをまかなうようにすることで、毎月の保険料を最適化できます。
何も起きなかったときは払い損になる
生命保険は万が一のリスクに備えるものであるため、加入している間になにも起こらなければ保険金を受け取ることなく、払い損になる場合もあります。
保険金が支払われるのは支払い事由に該当した場合のみであるため、契約期間中に支払い事由にならなければ保険金の支払いはありません。
また心配するあまり、多くの保険や保障をつけすぎてしまい、結果保険金の支払いがされずに契約満了となることもあります。
生命保険は万が一のリスクに備えるものと理解し、必要なものだけに入るようにしましょう。
解約しても払い戻しがなかったり元本割れすることがある
保険種類によっては、支払った保険料がもどってこない場合があるため注意が必要です。
生命保険では「掛け捨て型」と「貯蓄型」があります。掛け捨て型は解約時に支払った保険料がもどってこない保険で、貯蓄型は解約時に支払った保険料の一部がもどってくる保険です。
払い戻しがないなどの理由として以下の3点があげられます。
- 割安な保険料で設定されている
- 満期になる前に解約してしまった
- 保険選びをあやまり、加入して間もなく解約してしまった
保障選びを間違えてしまうと、他の商品に入り直すために途中解約しなくてはいけません。途中で解約してしまうと払戻金がもどらないケースがあります。
生命保険は万が一に備えるものという目的を理解し、加入することが大切です。
心配するあまり多くの保険に加入してしまうと毎月の保険料も高額になり、払い損になる可能性もあるので慎重に選びましょう!
保険のプロが教える生命保険の正しい選び方
生命保険の正しい選び方として、大切になるのは以下の2点です。
- 自分のライフプランにあった保険プランを選ぶ
- 月額の保険料は無理のない金額にする
必要な保障を洗い出し、無理のない範囲で加入することで、入り直しを防ぐことができます。
自分のライフプランにあった保険プランを選ぶ
自身や家族のライフイベントについて考える必要があります。ライフイベントとは人生で起こりうるさまざまな出来事のことで
- 結婚や子どもの誕生
- 子どもの入学
- 住宅購入
- 車の買い替え
といった大きなイベントを指します。これらのイベントにはお金がかかります。
ライフイベントについて考えるときは、家族ごとのイベントを書き出した表などを作って整理します。ライフイベントが書き込める本や、インターネット上のテンプレートなどを活用して把握するとよいでしょう。
どの生命保険を選ぶのがいいかは各家庭の状況や資産状況によって変わります。また保険に入ったあとでも、そのときの生活状況によってイベントも変わります。状況に応じて見直しをすることが必要となります。
すでに保険に入っている人も今の生命保険が最適かどうか、あらためて保障内容をチェックしてみてください。
月額の保険料は無理のない金額にする
公益財団法人生命保険文化センターによると1世帯あたりの年間保険料385,000円といわれており、月に換算すると約32,000円です。生命保険は生涯で支払う金額が1,000万円を超えるとも言われ、家を買う次に「人生で2番目に高い買い物」とも表現されます。
毎月約32,000円を払うとなると、家計への負担が大きいと感じる方も多いのではないでしょうか。
保険選びで大切なことは、「これだけ保険料を支払っているから大丈夫」ではなく、「必要な保障をしっかり見極めて必要な分だけ加入する」ことがとても大切です。必要と思って入ったにもかかわらず、支払いができなくなり解約すると払い損になってしまいます。
保険とは「万が一のときに助けてくれるお守り」であることを理解しましょう。そのためには自分や家族が備えるべきリスクとライフプランを把握しておくことが大切です。
もし自分でどういう保険を選んだらいいかわからないという人は、相談するのもおすすめです。オンラインで相談もできるので、活用してみてください!
まとめ
生命保険の基礎的な知識からご自身にあった選び方を解説してきました。
生命保険は
- 「お互いがお互いのために」という「相互扶助」の考え方でなりたっており、みんなで備えることで万が一に備えることができる
- 高額な治療費に備えることができる
- 節税効果もあるため、税金を最適化できる
生命保険のメリット・デメリット・選び方をしっかり理解して、自身に合った備えをしておきましょう。
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